エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?仕組みやメリットをわかりやすく解説
- 【こんな方におすすめ】
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- エネルギーマネジメントシステムの概要について理解したい
- エネルギーマネジメントシステムでできることやメリットについて知りたい
そこで本記事では、エネルギーコストの削減効果が期待されるエネルギーマネジメントシステムの仕組みと、システム導入のメリットについてわかりやすく解説していきます。
尚、三菱電機システムサービスでは、エネルギーマネジメントシステムとして製造業向けEMS「SA1-Ⅲ」をご提供しています。導入をご検討中の企業様はお気軽にご相談ください
エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは
エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは、エネルギー使用をモニタリングし、運用効率を最適化するためのシステムのことです。EMSはエネルギーコストの削減につながることから多くの企業が導入検討を開始しています。
なぜエネルギーマネジメントが重要なのか
環境問題への貢献する省エネ対策として、エネルギー消費を抑えるために電力を無駄に消費しないよう意識づけを行ったり、少ないエネルギーで稼働できる電気設備を導入することが一般的に普及しています。
企業においては家庭と比べて多くのエネルギーを必要とする場合が多いため、省エネの推進とエネルギー消費の最適化を図るための対策として、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを導入している企業も多くみられます。
しかし一方で、再生可能エネルギーですべてのエネルギーをまかなうことは容易ではありません。そのため、現状の資源で環境への負荷を最小限にしながら効率よくエネルギーを使用することが重要になります。
このエネルギー消費の効率化と最適化を実現するのが、施設・建物全体のエネルギー消費を「見える化」できるエネルギーマネジメントシステム(EMS)です。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?役割と仕組み
エネルギーマネジメントシステムは、エネルギーの使用を最適化し、持続可能なエネルギー戦略を確立するために非常に重要な役割を担っています。具体的には、エネルギー消費の状況を可視化してデータを蓄積し、各種設備の稼働率をコントロールすることでできます。
エネルギーマネジメントシステムの仕組みは以下のステップに分かれています。
① 計測・モニタリング
エネルギー使用量を計測し、モニタリングします。工場やオフィスビル、自動車に設置されたセンサー類を使用して、電力、ガス、水などのエネルギー使用状況をリアルタイムで収集します。
② データ収集・分析
エネルギー使用のパターンや効率性を分析し、改善のポイントを特定します。
③ 制御・最適化
必要に応じて、エネルギー使用を自動的に調整したり、最適化したりします。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)の種類
エネルギーマネジメントシステム(EMS)は対象とする施設によって分類することができます。
BEMS(Building Energy Management System)
オフィスビルや商業施設が対象で、ビルの消費電力を「見える化」し、照明や冷暖房などの設備を制御するエネルギー管理システムのことです。
HEMS(Home Energy Management System)
家庭の消費電力を節約するためのエネルギー管理システムのことで、家電や照明・冷暖房などの設備と繋いで自動制御したり、電気とガスの使用量を「見える化」することができます。
FEMS(Factory Energy Management System)
工業における消費エネルギーを「見える化」および「制御」を行うことができるエネルギー管理システムのことです。空調・照明のほか、製造ライン設備のエネルギー消費をモニターやPCで管理・制御することができます。
MEMS(Mansion Energy Management System)
マンション内の消費電力を「見える化」およびデータを蓄積し、管理または運営会社などが遠隔地で観測することを可能にするエネルギー管理システムのことです。全入居者が一括で電力会社と契約することで導入が可能です。
CEMS(Community Energy Management System)
上記に述べたような施設を含めた地域単位での電力需要の管理を行うことを指します。また、風力発電や太陽光発電システムなどの電力供給量を管理することもできます。
対象とする施設によって名称が変わるため、それぞれの違いを理解して自社に最適なエネルギーマネジメントシステムを導入しましょう。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入するメリット
エネルギーマネジメントシステムの導入は、カーボンニュートラルやSDGsなど環境問題への対応からからエネルギーコストの削減といった経済的な利益まで、その影響は多岐にわたります。ここでは具体的な4つのメリットについて解説します。
建物/施設の消費エネルギーを「見える化」できる
エネルギー消費を抑えるためには、まず設備使用状況の「見える化」が大切です。得られた情報をグラフなどでわかりやすく「見える化」し、データを分析することで最適なコスト削減を実践できます。
また「見える化」により、普段の電力消費量を把握できれば、非常用電源の限界稼働時間も調査可能です。
データを蓄積・分析することで改善箇所を特定できる
蓄積したデータの分析は、改善箇所の特定に役立ちます。表やグラフで現状把握を容易にし、稼働効率の低い機器や時間帯から電力の出力調整を実施していくことが有用です。
機器の稼働効率が向上した後にも、定期的なエネルギー消費の見直しが必要です。そのため、EMSで取得した実際のデータや改善実績を社内で周知し、省エネに対する意識づけを行っていくことも大切です。
老朽化や不具合により稼働率が低下した機器が特定できる
長年稼働し続ける工場は、老朽化や不具合によって稼働効率が低下するなどの問題が発生しがちです。エネルギーマネジメントシステムを活用すれば、稼働状況のデータ変動などから、不具合が起きた機器や老朽化した設備を特定することが可能です。
人では見落としてしまうような些細な不具合や異常でも、エネルギーマネジメントシステムであればエネルギー消費量の観点から、機器の不具合を察知できます。機器の効率が落ちる前に対処することで、工場の安定稼働を実現することができるのです。
建物/施設の消費エネルギーを最適化して運用できる
エネルギーマネジメントシステムは以下の3点を実践し、消費エネルギーの最適化を実現します。
● 収集したデータの「見える化」
EMSで工場全体の稼働状況・エネルギー使用量などが一元的に「見える化」できます。また、取得したデータはモニター画面にグラフで視覚的に分かりやすく把握することも可能です。
● 「見える化」したデータの解析
設備の稼働状況を「見える化」することができるため、製品を作るための電力量を正確に把握することができます。
● データに基づくエネルギー消費の最適化
生産状況とエネルギー使用量を組み合わせて分析することによって、無駄なエネルギー(削減ポイント)を見つけ、具体的な改善対策を立てられるため、エネルギー消費を最適化できます。
企業にとってメリットの多いエネルギーマネジメントシステムですが、実際に導入されている企業は多くなく、今後普及していくことが予想されます。次章では、実際のエネルギーマネジメントシステムの導入手順について解説します。
エネルギーマネジメントシステムの導入手順
エネルギーマネジメントシステムの導入に際しては、慎重な計画が必要です。
ここではエネルギーマネジメントシステム導入手順の一例を紹介します。
1. エネルギー管理する施設・建物の選定
2. 「見える化」する設備の選定
3. 計測器設置箇所の決定
4. 計測器の準備
5. 計測器の設置
6. 計測期間・周期の決定
7. エネルギー消費動向の把握と分析
8. 省エネ対策活動
9. 計測データ・効果の把握
10. 次のエネルギーマネジメント
三菱電機システムサービスのエネルギーマネジメントシステム
三菱電機システムサービスでは、施設の特徴に合わせて2つのエネルギーマネジメントシステムをご提供しています。
自社に最適なシステム導入でエネルギー消費の最適化を実現しましょう。
店舗・施設向けEMS「SA1-MICO」
「SA1-MICO」は、中小規模の店舗・施設向けEMSです。ドラッグストアからホームセンター、大型量販店などの店舗・施設のエネルギー消費を最適化することができるだけではなく、使いやすさに特化していることが特徴です。
タブレット端末で操作でき、店舗のスケジュールに合わせたオート制御が可能であるのに加え、店舗外からでも電力量を確認し適宜出力調整も操作できることもメリットです。
SA1-MICOの機能やメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら
製造業向けEMS「SA1-Ⅲ」
「SA1-Ⅲ」は、製造業(工場)向けEMSです。 施設内を監視・制御するとともに、稼動実績、エネルギー消費量などのデータを「見える化」します。また、生産を維持しながら電気使用量を減らし電気代を削減することができることもメリットの一つです。
SA1-Ⅲの機能やメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら
太陽光発電・定置型蓄電池EMS「SMART-LiCO」
「SMART-LiCO」は、太陽光発電と蓄電池を統合したEMSソリューションです。自家消費型太陽光発電システムの発電エネルギーをムダなく有効活用でき、蓄電池を加えた蓄エネシステムを利用することにより、非常時のBCP対策にもお役立ていただけます。
SMART-LiCOの機能やメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら
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