省エネ

店舗や施設で取り組める省エネ対策|EMSによる省エネの進め方とは?

【こんな方におすすめ】
  • 保有している店舗・施設の省エネ対策方法を知りたい
  • 企業が取り組む省エネ対策の考え方や進め方について知りたい
EMS(エネルギー管理システム)は、エネルギーを効率よく使用するための設備です。パソコン1台で簡単に省エネ対策をすることができるため、注目されています。
店舗や施設へEMS(エネルギー管理システム)を導入することで、より効率よく省エネ対策をすることができるようになります。EMSを取り入れて電力需給のバランスを最適化しましょう。

店舗や施設に求められる省エネ対策

小売の店舗や施設では、エネルギー消費量が多くなりやすいため適切な省エネ対策をとることで電力使用を最適化することが可能です。本章では、どのような省エネ対策が必要なのかについて解説します。

さらなる値上げが予想される電気料金

電気料金の値上がりに苦しんだ2023年ですが、追い討ちをかけるように2024年1月には大手電力5社で電気料金が値上げされています。

これは、ウクライナ情勢の悪化や円安などが要因となり、燃料調達費など電気料金に関わる費用の価格が高騰していることが大きな理由といえます。

現状、電気料金の価格高騰が止まる目処は立っておらず、さらに段階的な値上げが実施されていく可能性もあるというのが現状です。そのため、効率よくエネルギーを使用するために何らかの省エネ対策をとることが急がれています。

エネルギーの「ムダ」が発生しやすい照明・空調設備

次に省エネのポイントについて解説します。照明や空調は日頃から使用しているにも関わらず、どの程度使用しているのか把握することが難しいことも多く、知らず知らずのうちにムダが発生しているケースも少なくありません。

つまり、照明や空調を効率よく使用し、エネルギー消費量を抑えるために、省エネとコスト削減のための対策をとることが必要なのです。

店舗や施設で取り組める省エネ対策とは?

店舗や施設で取り組め、効果が大きいと考えられる省エネ対策は、「照明や空調におけるエネルギー使用状況をしっかり管理してムダを減らすこと」です。具体的な省エネ対策を実現するための方法を2つご紹介します。

照明・空調設備機器の買い替え

照明や空調には寿命があり、買い替える必要があります。

10年?15年以上前の照明や空調設備は経年劣化により性能が低下してしまうため、現在のものと比べると消費電力・エネルギーが大きくなってしまうため、知らず知らずのうちに消費電力が大きくなってしまいがちです。

現在は省エネに特化した照明機器や空調設備機器が多く出回っており、10~15年前と比較すると消費電力が半分以下のものも少なくないため、買い替えのタイミングで省エネ性能が高い商品を選ぶだけでも省エネ効果を見込むことができます。

買い替えと同時に検討したいEMS(エネルギー管理システム)の導入

照明機器や空調設備機器を買い替えると同時にEMSを導入すると、より効率的に省エネを実現することができます。

EMSとは「エネルギー管理システム」のことで、パソコンが1台あれば店舗や施設の照明・空調で使用している電力の管理をすることができます。EMSは、エネルギーの使用状況を「見える化」することができるため、照明の明るさの変更や空調の温度管理・風向風量の設定など細かい設定変更が可能です。また、スケジュール制御により消し忘れや運転のムダを省くこともできます。

EMSでエネルギーの使用状況を「見える化」することで、1店舗・1施設におけるエネルギー消費のムダを減らし、効率よく省エネを実現することができます。

店舗・施設の省エネ対策の進め方

EMSは、エネルギーの使用と管理を最適化するためのシステムであり、省エネ対策において重要なツールの一つです。本章では、EMSを活用し店舗や施設での省エネ対策の進め方についていくつかのステップを解説します。

今使用している設備の稼働状況と使用状況を可視化する

まずは、今使用している設備の稼働状況と使用状況を可視化し、現状の使用状況にムダが生じていないか、無駄をどうしたら省くことができるのか検討することが必要です。

エネルギーを可視化すれば、どこでどのくらいの設備が稼働・使用しているのかを知ることができ、ムダを省くための改善策が見えてきます。

EMSを導入すると照明や空調などの使用状況と稼働状況が一元管理できるため、ムダを見つけやすくなるだけでなく、簡単な操作で設備の管理をすることも可能になることが利点です。

照明・空調のデマンド制御を行う

次に、照明・空調のデマンド制御の実施があげられます。照明・空調のデマンド制御とは、電力需要を制御し、ピーク時の電力使用を削減するための手法です。電力需要がピーク時に急増することで電力供給に過負荷がかかり、エネルギーコストが上昇することを防ぐのが目的です。

EMSを活用することで、目標デマンド値を超えないように設備を自動制御し、基本料金を簡単に削減することが可能です。

具体的には照明のオンオフや明るさの調整、空調の温度などを自動制御し、用途と使用目的に合わせたデマンド制御方法を選ぶことができるため、店舗や施設に合った理想的な照明・空調デマンド制御を行うことができるようになります。

スケジュール制御・ナイトパージにより節電・省エネ対策をする

最後に、EMSによる照明・空調のスケジュール制御、ナイトパージで節電・省エネ対策をすることがあげられます。スケジュール制御とは、建物内の照明機器や空調システムを特定のスケジュールに基づいて制御する手法です。これにより、特定の時間帯や状況に合わせて適切な照明と快適な室温を提供し、同時にエネルギー使用を最適化することができます。

在室時間帯や始業・就業などあらかじめ登録した就業パターンのスケジュールを登録しておくと、照明・空調を自動制御して運転のムダを省きます。店舗や施設の運営に合わせて、照明・空調をスケジュール運転することが可能です。

ナイトパージでは、特に夏場など昼と夜の温度差が大きい地域で効果的に省エネすることができます。

スケジュール制御やナイトパージは店舗や施設の運営に合わせて自動的にコントロールされ節電・省エネを実現してくれるので、エネルギー消費の最適化を実現することが可能です。

店舗・施設の省エネ対策事例

ここでは店舗・施設の省エネ対策事例を具体的にみていきます。

コジマ×ビックカメラ梶ヶ谷店 様

コジマ×ビックカメラ梶ヶ谷店 様では、空調・照明の設備更新とEMS(SA1-MICO)を活用したエネルギー管理で電力消費量を40.7%削減することに成功しました。

不二興産 様

有限会社不二興産 様では、昭和24年に建設した本社ビルの老朽化に加え、地震などの災害に備え、ビルの新築にあたり空調・照明の設備更新とEMS(SA1-MICO)を導入されました。

省エネに特化した設備に加え、EMS(SA1-MICO)を活用した結果、空調で51,1%、照明で70.9%、創エネを含まない削減率はトータルで52.8%のとなり、大きくエネルギー消費の最適化に貢献しました。

また、創エネを含む全体の一次エネルギー削減率は58.4%にのぼり、近年注目度が高まっている自家消費型太陽光発電との相乗効果もみられた事例といえるでしょう。

省エネへの取り組みを実現するためのサービス

本省では省エネを実現させるためのサービスをご紹介します。

省エネスパイラルはワンストップで取り組む

省エネを実現するには設備の新旧入れ替えだけではなく、相乗効果の期待できるサービスを活用することで、省エネスパイラル、つまりは相乗効果による省エネ最大化を実現することが可能です。

また、設備使用状況や稼働状況を確認し適切に管理するために、わかりやすく簡単な操作ができることも重要な要素です。

そのため管理しやすく、ムダを省いた運用を実現するために、ワンストップで取り組めるサービスを選定することが重要です。

中小店舗・施設向けEMS「SA1-MICO」

三菱電機システムサービスが提供する「SA1-MICO」は”操作が容易にできること”に着目し開発された中小店舗・施設向けEMSです。

照明・空調などのエネルギーを記録・見える化し、さらに「各種報告用資料作成支援」により、担当者様の負担を軽減します。さらにスケジュール・ナイトパージ・デマンドによる照明・空調制御で快適性を落とすことなく省エネを実現し、コスト削減も可能です。

詳しい機能などは、以下のサービス詳細ページもご覧ください。

店舗・施設をお持ちの企業様へ
  • 保有する店舗・施設の節電/省エネを実現したい
  • 節電のための具体的な対策方法を探している
  • 地域の特性や自店舗・施設に合った節電対策を行いたい
上記のようなお困りごと・課題をお持ちの企業さまには、中小店舗・施設向けEMS
「SA1-MICO」がおすすめです。
まずは「SA-MICO」のサービス詳細ページをご覧ください。
サービスページを見る

この記事の監修者

三菱電機システムサービス編集部
業務・現場改善に取り組む法人のお客様向けのお役立ちコラムを発信いたします。