メンテナンス(点検)により、トラブルを未然に防ぐ
正常な使用状態においても、耐用年数を経過すると部品の特性の変化や動作不良を起しやすくなります。
処置を行う予防保全活動により、設備のトラブルの低減・ 稼動率向上を図ることができます。
定期点検周期と更新推奨時期
機器名称 | 普通点検 | 精密(細密)点検 | 更新推奨時期 |
---|---|---|---|
高圧配電盤 | 0.5~1年 | 2~5年 | 15年 |
高圧断路器(DS) | 3年 | 6年 | 20年 操作回数(手動) 1000回 操作回数(電動) 10000回 |
高圧気中負荷開閉器(LBS) | 1年 | 2年 | 15年 |
高圧電磁接触器 | 0.5~2年 | 1回/点検3~5回 又は規定開閉回数 |
15年又は規定開閉回数 |
高圧電動機 | 1年 | 5~10年 | 20年(誘導電動機の場合) |
真空遮断器(VCB) | 3年 | 6年 又は規定開閉回数 |
20年又は規定開閉回数 |
柱上気中開閉器(PAS) | 1年 | 2年 | 屋内15年、屋外10年 GR付の制御装置10年 |
変圧器(T) | 1年 | 6年 | 20年 |
指示計器 | 1年 | 6年 | 15年 |
保護継電器 | 1年 | - | 15年 |
配線用遮断器(MCCB) | 0.5~1年 | 設置環境による | 15年又は規定開閉回数 |
気中遮断器(ACB) | 1年 | 規定開閉回数 | 15年又は規定開閉回数 |
漏電遮断器(ELCB) | 1ヶ月~3年 | 設置環境による | 15年又は規定開閉回数 |
低圧電磁接触器・開閉器(MC) | 0.5~2年 | - | 10年 |
低圧配電盤 | 0.5~1年 | 2~5年 | 20年 |
低圧電動機 | 1~2年 | 5~10年 | 15年(誘導電動機の場合) |
シーケンサ | 0.5~1年 | - | 使用環境により大きく変わります |
サーボドライブユニット(SV) | 0.5~1年 | - | 使用環境により大きく変わります |
汎用インバータ(INV) | 0.5~1年 | - | 使用環境により大きく変わります |
FAシステム、B/NET | 0.5~1年 | 使用機器による | - |
ロボット | サーボON時間 3,000時間 |
サーボON時間 6,000時間 |
- |
無停電電源装置(UPS) | 1年 | 5年 | 10kVA以下:5~6年、10kVA超:6~10年 使用環境により大きく変わります |
非常用自家発電設備 | 0.5~1年 (機器点検) |
1年 (総合点検) |
- |
太陽光発電システム | 0.5~1年 | 5~10年 | - |
- ※注:
- 更新推奨時期は、機能や性能に対するメーカーの保障値ではなく、通常の保守・点検を行って使用した場合に機器構成材の老朽化などにより、新品と交換した方が経済性を含めて一般的に有利と考えられる時期です。尚、近年では環境保護(ISO-14000)などの社会的要求により、前倒しされるケースが増えています。
点検の必要性
- 点検の必要性設備を安全で快適に使用するためには、設備本来の性能を維持することが必要です。
処置を行う予防保全活動により、設備のトラブルの低減・ 稼動率向上を図ることができます。 - メーカー直系による点検メーカー推奨の点検表に基づき、より細部にわたった重要ポイントを点検・調整いたします。
また、点検後の劣化部品の交換・更新時期などをお知らせします。
メンテナンスのおすすめ
点検の種類
分類 | 内容 | 機器の状態 | 周期 | |
---|---|---|---|---|
定期点検 | 普通点検 | 機器の性能確認、維持を目的として行うもので、細部の分解は行わず、主として外部から点検します。 | 停止 | 1回/ 0.5年~3年 |
精密点検 (細密) |
機器の機能の確認、回復を目的として行うもので、必要に応じて部分的な分解点検手入れ、部品交換を行います。 | 停止 | 1回/ 2年~6年 |
|
臨時点検 | 定期点検によって異常が発見された場合または事故が発生した場合で、詳細な点検が必要になった場合に行います。 | 停止 | 随時 |
保守契約のおすすめ
修理ノウハウを活かし、ご使用の機器の稼働状況に応じた適切なメンテナンスを計画的に実施し、機器の安定稼働を維持します。
高圧遮断器
インバータ
無停電電源装置(UPS)
電動機
契約メニュー
ご使用の機器・システムをお客様のご要望にあわせ、適切な定期点検の契約プランをご提案いたします。
- 年1回の精密点検
- 消耗部品の交換実施
- オンコールサービス
高圧機器余寿命推定診断と高調波測定
高圧機器余寿命推定診断
電気設備機器は通電部分と、それを保護する絶縁部分で構成され、この絶縁部分が劣化し、地絡や漏電が発生すると不意の停電事故、波及事故、感電災害または電気火災の原因となる場合があります。このような危険を未然に防ぐためには、定期的な電気設備機器の絶縁劣化診断が不可欠です。電気設備機器は常に良好な絶縁状態を維持しなければなりません。電気設備機器の絶縁協調についての現場診断を行い、改善策を提案いたします。
高調波測定
高調波は、電気機器で交流電力を直流に変化する時に発生し、配電線を逆流して電流波形を歪めます。
配電線に接続されている機器に影響して、振動、異常音、過熱または焼損に至る場合があり、機械寿命が短くなったりします。
電気機器より発生する高調波を実態現場調査し、機器の予防保全からご相談に応じます。
MT法による高圧機器の余寿命推定診断内容
- お客様の大切な高圧機器の絶縁物表面に付着したイオンや変色の中から、絶縁物の劣化に大きく関係するイオンの量や色差を測定します。(現地作業)
- 測定したデータに湿度の影響を加味し、絶縁物の材質や形状・使用条件(電圧・周波数)から放電閾値を求め、余寿命を推定します。(パソコンによる解析)
- ※
- MT法とは、「マハラノビス・タグチシステム」と呼ばれる品質工学の変量解析/パターン認識手法です。
この高圧機器の絶縁物は、あと○○年で寿命となりますと余寿命年数を定量的に推定し報告します。
- ※
- 現状の使用環境での推定値ですので使用環境が変化すると推定値も変化します。(保証値ではありません)